★★★
話を元に戻して。
前述したとおり、帰蝶は俺を非常に大事にしてくれていたのだ。子供のときだけだったけれども、眠るときも、……たぶん変なトラウマが残らないように、との配慮だろう。いつも一緒のベッドで眠ってくれた。
まあ、となりのベッドにはパピヨンがいたのだけれど。
とはいえ、5歳になったころからだろうか。パピヨンに、
『お前もそろそろ一人で寝るトシゴロだな? 向こうの部屋に一人用のベッドを用意してやったぞ。……怖い、なんて言うんじゃないんだろうな。そんなことでどのツラ下げて錬金の戦士になろうとしている?』
なんて声をかけられた。俺もやっきになって、反射的に合意の返事を交わしていた。
……ここで誤解をしてほしくないのは、パピヨンは俺を虐めていたわけではない。
俺がここに預けられてから、帰蝶は母親として俺を導いてくれ、そしてパピヨンは教師、とかいう堅苦しい
役割こそ背負っては居なかったが、あまり口やかましくはしなかったが肝心なところで俺を引っ張ってくれた
良き父親という役割を背負ってくれていたのだ。それゆえの、立ち回りである。
そしてまず、そういうことは早くて悪いことはない、という話だから全てはとんとんとハナシが進んだ。
(……というかこれは、パピヨンと帰蝶が夜二人でいちゃつくのにいーかげんオマケつきがガマンできなくなったんだろうな、とそういう意味もあったんだと今にしては思う)
★★★
そうして俺は、5歳のころから一人で眠るようになった。
けれども。
どんなに背伸びしても、やはり自分は未だ、釈迦のてのひらを出ることのできない孫悟空のように、世界に対してなにひとつ波風をおこすことのできないちっぽけな幼児にすぎなかった。それゆえ……、ある日夜中にふ、と人恋しくなって寝室のドアを開け、……ふらっと廊下に歩み出たときがあった。すると、居間のドアから光りがこぼれていた。
――ああ、パピヨンと帰蝶がいるんだ。
ふたりきりで、居間で話をしているのだろう……?
だけれども。
そのふたりきり、という事実を思い浮かべたら俺の中へ猛烈にパピヨンへの敵意? いいや、嫉妬心というものだったのだろう。そう言った感情が初めて体の中にわきおこった。そして居間へ踏み込んでその空間を壊してやりたい、と思った。
故に俺の足は居間の方向に向かっていた。きいっ……っと、ノブが音をたてて回る。一気にドアを開けようと思った。
けれども。
俺は、どこか臆病になっていたのだろうか。
どうしてだか、すこし、しか力がはいらなかった。ドアは僅かなスキマを広げるだけで、俺の手はドアノブから離れる。
――もう一度、もう一度ドアを開けて……。
そう思って再びドアノブに手をやった。だが、そのスキマから飛び込んできたものは。
俺は現実、というものを目の前に叩き付けられて、俺の初恋はコナゴナに砕け散ったのだった。
★★★
二人はキスをしていたのだ。それで俺は大きくショックをうけてしまった。
(ここで注意していただきたいのだが、大人のそれと、子供のそのキスの意味合いというのは、大きく違うということなのだ。大体において幼児はキスで子供ができるとか、そんな認識をもっていたりする)
二人はくちゅくちゅと音をたて合い、体を被せ合って絡み合っていた。くらい、やみのなかで二人の体は熱を帯びてあやしくうねる。俺はその様を見るにどうにもくるしく、呼吸が喉の中滞留し、やがて熱く流れた。
★★★
そのあと。
俺はしばらくなにをしていたのか、覚えてない。気がついたら自分の寝室にいた。俺の身体の中心にはどうしようもない敗北感がそびえ立っていた。
俺は、泣いたのだ。
――いちばん俺が、近くに居たと思ったのに。
――俺の方が、帰蝶のココロに近いと思ったのに。
すべてがパピヨンによって打ち砕かれて俺はただ情けなく、涙で頬を濡らしただけだった。
俺は近くしか見ていなかった、間抜けな近視だったのだ。
それ故パピヨンの……、いいや、帰蝶自身の気持ちに気がつかなかったのだ。何てマヌケなコトだったんだろう。
★★★
――それから。
そうなのだ。帰蝶はその桃色にうすくかがやくようなその腕で、いとしくだきしめるようにいつも俺をマモっていた。
……そこに俺が居たのだ。
そうだ強くなるのだ。俺はその囲みからでることによって本当の帰蝶のココロがわかるのかもしれないから。そうして、そこからさらに帰蝶の心情をつつみこむようになれるには、まだまだ時間がかかるのだ。
俺は、ここから歩む必要がある。
そうなのだ。俺は帰蝶のココロを感じるようになりたい。
【2008/8/19UP★】
―――――――――――――――――――――――――――――――――
…………ごめんなさい。ソウヤファンの方、本当にごめんなさい!!
ソウヤに帰蝶みたいな存在のおかーさんがいたらきっとラブラブになるだろうなーとか思って書いたらほんとにネツレツマザコン小説になってしまいました……、すいません(T-T)
ていうか斗貴子さんの立場って!!斗貴子さんファンの方もごめんなさいだわだわー!!!
話を元に戻して。
前述したとおり、帰蝶は俺を非常に大事にしてくれていたのだ。子供のときだけだったけれども、眠るときも、……たぶん変なトラウマが残らないように、との配慮だろう。いつも一緒のベッドで眠ってくれた。
まあ、となりのベッドにはパピヨンがいたのだけれど。
とはいえ、5歳になったころからだろうか。パピヨンに、
『お前もそろそろ一人で寝るトシゴロだな? 向こうの部屋に一人用のベッドを用意してやったぞ。……怖い、なんて言うんじゃないんだろうな。そんなことでどのツラ下げて錬金の戦士になろうとしている?』
なんて声をかけられた。俺もやっきになって、反射的に合意の返事を交わしていた。
……ここで誤解をしてほしくないのは、パピヨンは俺を虐めていたわけではない。
俺がここに預けられてから、帰蝶は母親として俺を導いてくれ、そしてパピヨンは教師、とかいう堅苦しい
役割こそ背負っては居なかったが、あまり口やかましくはしなかったが肝心なところで俺を引っ張ってくれた
良き父親という役割を背負ってくれていたのだ。それゆえの、立ち回りである。
そしてまず、そういうことは早くて悪いことはない、という話だから全てはとんとんとハナシが進んだ。
(……というかこれは、パピヨンと帰蝶が夜二人でいちゃつくのにいーかげんオマケつきがガマンできなくなったんだろうな、とそういう意味もあったんだと今にしては思う)
★★★
そうして俺は、5歳のころから一人で眠るようになった。
けれども。
どんなに背伸びしても、やはり自分は未だ、釈迦のてのひらを出ることのできない孫悟空のように、世界に対してなにひとつ波風をおこすことのできないちっぽけな幼児にすぎなかった。それゆえ……、ある日夜中にふ、と人恋しくなって寝室のドアを開け、……ふらっと廊下に歩み出たときがあった。すると、居間のドアから光りがこぼれていた。
――ああ、パピヨンと帰蝶がいるんだ。
ふたりきりで、居間で話をしているのだろう……?
だけれども。
そのふたりきり、という事実を思い浮かべたら俺の中へ猛烈にパピヨンへの敵意? いいや、嫉妬心というものだったのだろう。そう言った感情が初めて体の中にわきおこった。そして居間へ踏み込んでその空間を壊してやりたい、と思った。
故に俺の足は居間の方向に向かっていた。きいっ……っと、ノブが音をたてて回る。一気にドアを開けようと思った。
けれども。
俺は、どこか臆病になっていたのだろうか。
どうしてだか、すこし、しか力がはいらなかった。ドアは僅かなスキマを広げるだけで、俺の手はドアノブから離れる。
――もう一度、もう一度ドアを開けて……。
そう思って再びドアノブに手をやった。だが、そのスキマから飛び込んできたものは。
俺は現実、というものを目の前に叩き付けられて、俺の初恋はコナゴナに砕け散ったのだった。
★★★
二人はキスをしていたのだ。それで俺は大きくショックをうけてしまった。
(ここで注意していただきたいのだが、大人のそれと、子供のそのキスの意味合いというのは、大きく違うということなのだ。大体において幼児はキスで子供ができるとか、そんな認識をもっていたりする)
二人はくちゅくちゅと音をたて合い、体を被せ合って絡み合っていた。くらい、やみのなかで二人の体は熱を帯びてあやしくうねる。俺はその様を見るにどうにもくるしく、呼吸が喉の中滞留し、やがて熱く流れた。
★★★
そのあと。
俺はしばらくなにをしていたのか、覚えてない。気がついたら自分の寝室にいた。俺の身体の中心にはどうしようもない敗北感がそびえ立っていた。
俺は、泣いたのだ。
――いちばん俺が、近くに居たと思ったのに。
――俺の方が、帰蝶のココロに近いと思ったのに。
すべてがパピヨンによって打ち砕かれて俺はただ情けなく、涙で頬を濡らしただけだった。
俺は近くしか見ていなかった、間抜けな近視だったのだ。
それ故パピヨンの……、いいや、帰蝶自身の気持ちに気がつかなかったのだ。何てマヌケなコトだったんだろう。
★★★
――それから。
そうなのだ。帰蝶はその桃色にうすくかがやくようなその腕で、いとしくだきしめるようにいつも俺をマモっていた。
……そこに俺が居たのだ。
そうだ強くなるのだ。俺はその囲みからでることによって本当の帰蝶のココロがわかるのかもしれないから。そうして、そこからさらに帰蝶の心情をつつみこむようになれるには、まだまだ時間がかかるのだ。
俺は、ここから歩む必要がある。
そうなのだ。俺は帰蝶のココロを感じるようになりたい。
【2008/8/19UP★】
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…………ごめんなさい。ソウヤファンの方、本当にごめんなさい!!
ソウヤに帰蝶みたいな存在のおかーさんがいたらきっとラブラブになるだろうなーとか思って書いたらほんとにネツレツマザコン小説になってしまいました……、すいません(T-T)
ていうか斗貴子さんの立場って!!斗貴子さんファンの方もごめんなさいだわだわー!!!
テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学
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